実はいろいろあるインターンシップの種類解説
18卒の学生がこの時期に気になっていることの1つとしてインターンシップがあると思います。夏のインターンシップは終わっていますが、これから秋冬のインターンシップに向けてチャレンジしようかと迷っている人も多いはず! ということで、今回はインターンシップの話題です。ちなみに18卒だけでなくて、19卒とか20卒とか大学生全般にも関係がある話です。
そもそもインターンシップて?
学生向けの就業体験で、学生に実際の職場で働く機会を提供するものです。といっても、実際の実施形態はちょっと複雑。日本におけるインターンシップの取り扱いについて、自分なりに整理してみます。
このように4つのインターンシップに分類できると思います。
インターンシップの特徴と解説
長期有給インターンシップ
- ターゲット:全学年
報酬:有給
期間:1ヶ月以上~
企業の目的:実務機会を提供。ビジネスの戦力としてカウントする。優秀な学生の獲得
学生の目的:アルバイト以上の自己成長。お金を稼げる。内々内定への期待。
良い点:お金も稼げてビジネスの実務も経験できる。自己成長。
悪い点:時間拘束が大きい。インターンシップが中心の生活になる。
長期有給インターンシップは、基本的にITのWEB系や広告などの企画系など、個人の力量の発揮が求められるクリエイティブな会社で多いです。会社がインターンシップを企画し、インターンシップ用のカリキュラムを組むのでなく、学生をインターンシップ生として普段の業務に取り込みます。就業経験を学生に提供する「インターンシップ」らしいインターンシップと言えます。
また、期間も長期で不定期であることが多く、3ヶ月とか1年以上とか勤務することができます。
長期でお金を稼げるという点で、アルバイトと比較されることがあります。アルバイトは、マニュアル化(制式化)された作業を行うことが求められ、インターンシップはマニュアルがない中で考え、行動と失敗を繰り返すことで業務を取得していきます。自己成長という観点では、アルバイトよりもインターンシップの方がおすすめです。
しかし、インターンシップに時間を拘束されがちなのが、人によってはネガティブに働きます。学業、サークル、ボランティア、遊びなどで学生生活が充実している中で、週2や3日ほぼフルタイムで勤務を求められるインターンシップは、両立が難しくなります。さらに、東京や大阪、横浜、京都など大都市でしか長期有給インターンシップは募集されず、都市部の学生でなければ長期有給インターンシップはできません。
都市部にいる19卒や20卒の学生でアルバイトに時間を拘束されている・大学の勉強がつまらないし時間も余っている、なんて学生は、明確な目的意識がなくても長期有給インターンシップに応募してみると世界が広がると思います。
※長期有給インターンシップという名称で、安い労働力目的のブラックアルバイト求人もあるっぽいので、それにあたったらさっさと次を探しましょう。
海外インターンシップ
- ターゲット:全学年
- 報酬:有給
- 期間:3ヶ月~1年。
- 企業の目的:学生に海外での就業体験機会を提供しようという団体と、それに協賛する企業がインターン生を受け入れている。
- 学生の目的:金銭的負担少なめで海外での長期経験ができる。自己成長につながる。
- 良い点:海外で働くことで給料が発生し、留学に比べると圧倒的に安く海外経験ができる。
- 悪い点:平日フルタイムで時間が拘束されるので、留学のような時間の自由はない。現地語で仕事は大変であり、また人間関係が悪くなっても乗り切るしかない。休学することも多い。
海外インターンシップです。このインターンシップの魅力は、何よりも海外で働く経験ができ、金銭負担も小さくできることです。これは留学と違う大きなメリットです。留学費用がないけど海外いってみたい! とか、海外で働くぞ! というメンタリティーがある人間が多いです。
類似としてあるのがワーキングホリデーでしょうか。1~2年の滞在許可がおり、就学、旅行、就労と生活ができるビザです。私の友達もワーキングホリデー制度を使い、カナダで半年働き、半年旅行していました。
海外インターンシップの悪い点は、平日フルタイムで仕事をするため、自由な時間は作りにくいことでしょう。また初めての仕事を不慣れな現地語(英語)ですることは大変ですし、人間関係が悪くなっても身の回りに相談する人がいないということも。加えて、人によっては大学を休学し卒業を伸ばす必要が出てきます。
就活用インターンシップ
- ターゲット:主に学部3年、院1年など
- 報酬:ほぼ無給
- 期間:3Day、1週間、2週間、1ヶ月
- 企業の目的:インターンシップを開催しているという社会貢献(CSR)。早期に優秀な学生の母集団形成をはかる。優秀な学生の青田刈り。ミスマッチを防ぐ。
- 学生の目的:就活に必要そうだから。気になる業界をよく知りたい。内々内定への期待。
- 良い点:業界研究に役立つ。結果を出せば内々定や特別選考ルートに乗れる。
- 悪い点:インターンシップ用のカリキュラムで、実務経験とはほど遠いケースが大半。失敗すれば本選考で不利に。
就活生がイメージするインターンシップです。ほとんどのケースは、会社がインターンシップを企画し、インターンシップ用のカリキュラムを組みます。つまり学生は普段の業務ではなく、業界に関わる簡易化したグループワークに取り組むことが多いです。会社に通勤するものの学生は会議室に隔離され、オフィスで実務に取り組まないです。これインターンシップ(就業機会)? と批判されることも・・・・・・。
企業にとっては、志望度が高く優秀な学生と早期に出会えます。そして数日間にわたるグループワークを通して、仕事への取り組み方や仲間とのコミュニケーションの仕方が見えてきます。これによって学生の人間性やパフォーマンスを理解できます。会社によっては内々定を出したり、特別選考ルートに乗せたりします。ただし、選考に全く関係ないという会社もあります。しかし、そんな会社でも、就職面接でインターンの経験を話すことで、志望動機を補強でき、内定に近づきます。
このタイプのインターンシップに参加目指した方がいい!
このタイプのインターンシップに参加するメリットは2つ。
インターンシップに応募するために、業界研究、ES、面接対策が真剣になる。
就活の解禁(18卒ならば3月)から就活の準備を始めるのと、インターンシップのため5月(夏)とか10月(冬)から始めている人間とでは、就活対策の準備具合が大きく異なってきます。
やっぱり就活対策になる。
参加できなくても参加しても、業界研究になります。グループワークの経験にもなるはずです。いつものコミュニティではない外の世界で、1週間や2週間所属することは、良い経験になるはずです。
インターン参加の悪い点としては、インターンでパフォーマンス(良い働き方・結果)を出せなかった時、本選考で不利になるリスクがあります。インターンシップに参加しているのに、発言しない、周りの足を引っ張るなどをしてしまったら、人事として採用したい人材だと思われなくなります。
このため、インターンのグループワークに自信がない人は、インターンにいかずに本選考の面接だけで選考を受けた方がいい! というケースもあるかもしれません。
しかし、就活本番でもグループワークやグループディスカッションを選考に取り入れている企業も非常多いです。グループワークが苦手な人こそインターンシップで経験して、慣れていった方がいいです。このとき、本命の企業や業界でない企業にインターンにいけば、万が一インターンで失敗しても就活本番には影響ありませんしね。
就活用1Dayインターンシップ
- ターゲット:主に学部3年、院1年など
- 報酬:ほぼ無給
- 期間:1日
- 企業の目的:インターンシップを開催しているという社会貢献(CSR)。早期の企業説明会。低コストで多くの学生と会い、早期の母集団形成をはかる。ミスマッチを防ぐ。
- 学生の目的:就活に必要そうだから。気になる業界をよく知りたい。志望度アピール。特別選考ルートにのる。
- 良い点:業界研究に役立つ。グループワークを経験できる。
- 悪い点:実務経験と関係ない。多くのケースで選考と関係ない。
1Dayインターンシップです。3月情報解禁の18卒スケジュールだと、2月頃が1Dayインターンシップの全盛期だと思います。3月になる前に、いかに自分たちの会社を知ってもらおうか、と多く企業は宣伝として1Dayインターンを開催します。ほとんどが、企業説明をして、グループワークをして、社員との座談会をして、という流れで半日がたちます。学生としても、1日でインターン先の業界や企業について知り、正式な会社説明会の前に会社説明を聞けます。
3Dayや1週間のインターンと違って、ESや面接での選考もありません。時間にゆとりがあるならば参加しても損にはなりません。
1Dayインターンで、グループワークを実地で経験し、座談会で社員に質問することで社風とかを分析していきましょう。
以上、日本においてはインターンを4つに分類できるよ、という話でした。
インターンシップに参加しよう!
就活用のインターンは、積極に参加していきましょう。人気企業の1週間や2週間のインターンには、ES、適性検査、面接などハードルが立ちふさがります。それを突破するのは簡単ではないです。逆に突破できる人間は、就活について心配する必要がほとんどないと思います。突破できることは、就活対策が水準以上にできているからです。
人気企業のインターンに申し込み、参加できなかった。それは当たり前のようにあります。本選考よりも多いエントリー数に採用数より少ないインターン受入れ数。ライバルは意識高い人たち。本番の就活よりも競争倍率が高い企業も多いのが実情です。
インターンに落ちたら、その落ちた原因を分析し、改善すべきことを発見すること。適性検査の経験も積める。インターンにエントリーさえしていない人に比べれば、自己分析も企業分析も就活対策も大きく進歩します。
番外編
就活用インターンシップですが、実は参加学年に制限を定めていない会社も多いです。つまり、1年生や2年生でも就活用インターンシップにエントリーできます。実際に、総合商社などハイレベル企業のインターンシップには、1年生や2年生が混ざっています。
私も2年生の冬に外資系IT企業のインターンに参加しています。つまり17卒の私が16卒用の就活インターンシップにエントリーし、参加できたということです。
一方で、インターンシップにエントリーしたものの、その企業から学年確認のメールがきて参加できなかったケースもあります。
インターンシップが全学年対象であれば、是非1年や2年でも参加してみるのはどうでしょうか。
インターンシップの探し方は簡単で、その年の就活用マイナビやリクナビに登録することです。下級生でも登録でき、一方で求人を見ることもできます。
就活する1年前にナビサイトのリアルタイムの動きを知ることができ、いざ自身の就活が始まったスタート時点で、ナビサイトの使い方を理解できています。
就活を始めるのが早ければ早い方がいい。
その1つとして、18卒は17卒用の。19卒や20卒は18卒用のナビサイトに登録して、企業研究やインターンシップ参加に是非チャレンジしてみて欲しいです。